イタリア大好き 薔薇の名前〈上〉 |ウンベルト エーコ /ウンベルト エーコ 忍者ブログ
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プロフィール
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Vino Vino
年齢:
24
性別:
非公開
誕生日:
1999/12/31
職業:
イタリアマニア
趣味:
イタリア放浪
自己紹介:
イタリアのワイン好き、食べ物が好き、ファッションが好き、人が好きのイタリア狂です。(笑)
そんな私の気になるイタリアを紹介していきたいと思います。
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薔薇の名前〈上〉薔薇の名前〈上〉
ウンベルト エーコ /ウンベルト エーコ
東京創元社 刊
発売日 1990-02




細かいことは無視して良し 2004-07-02
 いろいろと話のタネになった作品であるが、この根幹は殺人事件。ミステリー。それである。記号論がどうの中世がどうのというのは無視して構わないと思う。たしかに記号論や哲学やヨーロッパ中世の歴史学的・神学的知識があればより楽しめるとは思うが、そういう虚仮威しが本作を近寄りがたいものに見せかけているのも事実であろう。 こんなもの、作者と同じレベルで楽しもうと思ったら少なくとも組織神学と言語学と文学と哲学と歴史学で博士課程レベル以上の知識が必要である(作者の紹介に出てくる「記号論」というのは正確にはソシュールやパースが切り開いた構造主義記号論(学)のことで、研究領域というよりは人文科学全体に影響を及ぼしている研究手法なのだ)。そんな知識がある人間がいったいどれだけ居るだろうか。本作について知識人も色々と書いているが、大丈夫。彼らだってきっと本作の全てを堪能しつくしたはずはない。作者に比肩するような人文系知識人など鉦や太鼓で探しても、世界中に1万人もいない。ならば、自分に出来る範囲で楽しめば良いのだ。 本作が売れたのは、単純に面白かったからで、それは上記の有象無象をまったく知らなくても堪能できるのである。安心してお買い求め下さい。上質の推理小説。その先は色々と勉強をするたびに「ああ、あれはこういう意味だったのか!」と一生かけて気づいていけば良いのです。

ホームズのパスティッシュとして最高の一つ 2000-12-15
本書は、記号論などで著名なエーコが小説を書いたと言うことで有名な作品です。でも、そういうことに関係なく、これは素晴らしい推理小説です。読んでみるとすぐにわかるのですが、これはアーサー・コナン・ドイル卿のシャーロック・ホームズのパスティッシュなんです。西暦1327年のベネディクト会の修道院を舞台に設定にし、事件の鍵に写本が使われています。修道院で起こった修道僧の殺人事件の謎を解くために、院長は偶然滞在中のバスカービルのウィリアムに犯人探しを依頼します。バスカービルというだけで、シャーロック・ホームズファンならば、バスカバービルの犬を思い出しますね。ウィリアムを始め、すべての登場人物は、それぞれ印象的な性格の人物で、だれもが過去に何かを持っているという!感じです。また、当時の修道院や村の様子、フランシスコ会との確執、宗教裁判の話題が巧みにからめているのも面白いです。本当に、この小説のどこをとっても、引き込まれてしまい、読み出したら止められません。第一級のエンターテイメント小説です。

1327年のシャーロック ホームズ 2004-11-10
極めて重い内容のサスペンス スリラーで,意図的にユーモアを排除しているために簡単には読めない.しかし,余りに異様な事件が連続するために,どうしても読み続けたくなる.主人公はバスカヴィルのウィリアムことシャーロック ホームズで,弟子のメルクのアドソがワトソン役.解くべきものは,連続変死事件.場所はトリノの南にある修道院で,迷宮構造のヨーロッパ随一の図書館をもつ.中世の修道院の日常生活が克明に語られる一方で,連日のように修道士が死ぬ.これは図書館の中の世界にただ一冊しか残っていない写本と,これを決して人目に触れさせたくない意思のなせる業である.己の正義を疑うことのない意思は,結局,悪魔の意思であって,さすがのホームズも悪魔には勝ち目はなかった.翻訳は非常に優れたもので,ただ敬服するだけである.しかし,現在の日本語の常用の語彙からは消えてしまった単語が多用されるので,誤解されることも多いだろう,と思われる.巨大な語彙は,作者の得意とする所で,やむを得ないことなのだ.


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