イタリア大好き 哲学する民主主義―伝統と改革の市民的構造 |ロバート・D. パットナム 忍者ブログ
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1999/12/31
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イタリアのワイン好き、食べ物が好き、ファッションが好き、人が好きのイタリア狂です。(笑)
そんな私の気になるイタリアを紹介していきたいと思います。
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哲学する民主主義―伝統と改革の市民的構造哲学する民主主義―伝統と改革の市民的構造
ロバート・D. パットナム
NTT出版 刊
発売日 2001-03




「ソーシャルキャピタル」研究の口火 2005-07-25
本書は、イタリアの州制度改革の研究を通じて、社会における信頼(Trust)の在り方の格差がなぜ生じるのか、を明らかにしたものであるる。いわゆる「ソーシャルキャピタル」概念を明確に提示した最初の研究である。パットナムの20年近くに及ぶイタリアでの研究が本書に凝縮されている。しばしば指摘される批判として、数字の取り扱いや、変数の恣意的操作などがあるが、実証的に「ソーシャルキャピタル」の存在と、その役割を明らかにした功績は大きい。その後の研究として、パットナムは「一人でボウリングをする(Bowling alone)」なども著しており、こちらも多大な影響を与えた。併せて読めば、彼の議論の意義と問題点を同時に把握でき、今日の社会学が問題としている「ソーシャルキャピタル」論を深く理解できるだろう。

’social capital’定式化への偉大な貢献 2005-07-03
「何故、似たような制度的構造を持つにもかかわらず、地方行政府のパフォーマンスに顕著な違いが生じるのか」という疑問を解明するため、1970年代にイタリアで進行した権限委譲を背景に、20年以上にわたってデータを採集し、同国の地方行政府の比較検討を行ったその研究成果をまとめた作品。比較政治学の大著。その結果、パフォーマンスの違いは、市民の経済的収入や教育程度から生じるのではなく、市民の civic virtue (例えば、ability to trust, willingness to participate, sense of justice)の違いから生まれていると結論し、それらを social capital という概念で捉えることを主張した。以来、social capitalという用語は、他の政治学分野においても一つのreference pointとなった。例えば、政治理論における市民権理論の発展への貢献は顕著である。また、それらを証明するために用いられている数理的手法は、綿密、詳細なデータ収集にもかかわらず(という言い方はおかしいかもしれないが)、ごく簡単なものであり、その分著者のデータ分析の手腕に圧倒される思いがする。一方で、social capitalの蓄積に関し歴史的決定論に陥っていることは否めず、またどのようにしたらvicious circleを「反転」させることが出来るか、など規範的議論までには踏み込めていない点で若干物足りなさも覚えるが、しかしそれらは本書の全体的価値を揺るがすものでは全くない。

緻密な方法論 2002-12-07
「市民的成熟度(民主主義度)」はどうすれば目に見える形で測定可能となるか?この難問に挑戦したのが本書である。本書の前半では、イタリアで行われた政治改革の内容、およびその改革によって生じた地域間格差を説明するために著者のグループが行った調査方法が主として論じられる。後半では、その調査結果が歴史的・社会的な文脈で検討される。民主主義の達成度のような抽象的な対象を数値で表そうとする場合、その統計的処理による一般化には常に個別事例の持つ意味が軽視されるという危険が伴う。とはいえ、特に現代社会を問題にする場合、我々は政治家・マスメディア・知識人の言動に強い影響を受ける傾向にあることは否定できない。個々の主張によりゆがめられた社会像が形成されうる危険性は!!!一般化に伴う弊害以上に重大なものである。その意味で本書は画期的な方法論を提示していると言えるだろう。細部においては批判もあるだろうが、これほど綿密な調査方法を採用している類書はあまり例を見ないと思われる。また政治改革が地域社会に与えた影響を検討している本論も、現代の日本に居住している身として非常に興味深い。


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